日経先物は4万ポイントを維持しながら堅調で、米国株も史上最高値を更新したが、AI産業はまだ初期段階に入ったばかりなのだろうか?

Citrini Research の研究員 Jukan は、Goldman Sachs の Global Investment Research が提示したチャートを転送し、次のように述べた。「私たちは今まさに初期段階に入ったところだ。」このチャートによれば、今後の AI 産業における重要な変化は、単にモデル能力の向上や計算資源の供給拡大だけではなく、consumer agent workloads、つまり消費者向けの AI エージェントのワークロードが、世界のトークン消費量を大幅に押し上げることにある。

消費型エージェントがトークン使用量を 2030 年までに 10 倍にする

チャートは、消費型 agent のワークロードによって、トークン消費が 2030 年までに 10 倍以上増える可能性があると指摘している。また図中の赤字の注記ではさらに踏み込み、2030 年までにトークン消費は 12 倍超に成長すると書かれている。Goldman Sachs は、トークンの成長は主に 3 つの要因によると考えている。より広いユーザー到達、より高い 1 日あたりの利用頻度、そして AI の利用パターンが、単発の chat session から on-demand agents と always-on agents へと移っていくことだ。

いわゆる token とは、大規模言語モデルが文字、指示、応答、ツール呼び出し、そして文脈の記憶を処理するときの基本的な計量単位である。ユーザーが単にときどき chatbot に質問するだけなら、token の消費は比較的限られる。

しかし、もし AI agent がユーザーの代わりに継続して調査し、監視し、整理し、注文し、スケジュールし、メッセージに返信し、ワークフローを処理し始めるなら、モデルはもはや「質問に答える」だけの存在ではなく、継続して稼働するデジタルな労働力になる。これは、1 人のユーザーが 1 日に消費する token の量が、一回限りの対話から、高頻度で長時間、しかもバックグラウンドで実行される仕事のワークロードへと変わり得ることを意味する。

2026 年の世界の token capacity は、おおむね 1 か月あたり 7.5 兆 token 前後に位置する。しかし 2026 年上半期に入ると、Goldman Sachs はそれを Token Economics Turn Positive in 1H26(Token 経済が 2026 年上半期にプラスに転じる)と標示している。つまり、2026 年上半期に token の経済性が黒字転換する可能性があるということだ。言い換えれば、推論コストの低下、計算資源のインフラ拡張、利用シーンの成熟に伴い、AI 企業が token を処理する単位経済モデルが改善し始めるかもしれない。

2030 年以前も、非 agent ワークロードは引き続き成長するだろうが、曲線の傾きそのものを大きく引き離すのは consumer agents だ。非 agent workloads は主に従来型のチャットボット、検索、コンテンツ生成、一般的な企業向けアプリケーションなど、既存の AI 利用パターンを指す。consumer agents は、より高い頻度、より長い時間、より自動化された AI 利用シーンを意味する。2030 年までにチャートは、月間 token processed が 60 兆以上を突破すると予測しており、consumer agents はその増分のかなり大きな部分を占めるとしている。

これが Jukan が言う「才剛(まさに)早期段階に入った」という発言の核心的な含意でもある。もし Goldman Sachs の予測が当たるなら、AI の需要は今のチャットボット、コードアシスタント、あるいは企業 Copilot にとどまらず、さらに agentic workflow、つまり AI 代理人が人類に代わって継続的にタスクをこなす段階へと進むことになるだろう。そのとき、市場で議論の焦点になるのは「どれだけの人が AI を使うか」ではなく、「1 人あたり毎日 AI にどれだけのタスクを実行させるか」になる。

ベライゾン(BlackRock)CEO が AI バブルを否定:本当の問題は計算資源の供給不足

これは、ベライゾンの CEO Larry Fink が最近行った AI バブル論への反論とも呼応している。ブルームバーグの報道によれば、Fink はミルケン研究所のグローバル・カンファレンスの座談会で、「現状の市場が直面しているのは AI バブルではなく、深刻な供給不足だ」と述べた。需要の伸びが市場の予想をはるかに上回っており、米国だけでも演算能力、半導体、メモリの供給能力が足りないだけでなく、世界全体としても AI がもたらす巨大なチャンスを探り始めたばかりだという。

Fink はさらに、計算資源の需要が上昇し続け、供給不足が迅速に解消されない場合、将来の市場では「計算資源(compute capacity)」を先物として売買する取引メカニズムが出現する可能性があると予期している。こうした見方が重要なのは、AI インフラを「テクノロジー企業のコスト支出」から、取引可能で、金融化可能で、長期的に価格設定できる希少資源として再定義しているからだ。

言い換えると、Goldman Sachs のチャートが示しているのは需要側だ。consumer agents によって、2030 年までにトークン消費は 12 倍超に成長する。Fink が語っているのは供給側だ。もしトークン需要が本当に爆発的に増えれば、市場は計算資源、半導体、メモリ、データセンター、そして電力供給の不足という問題に直面しなければならない。この両者が合わさることで、現在の AI インフラの「買い(強気)論」の核心が形作られている。

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